第7章

会社のロビーにて。

「どうしたんだ?」北村健は夏目彩の隣に座り、彼女の足を握って確認した。足首はすでに腫れていた。

夏目彩は意地になって鼻を鳴らし、顔を背けて彼を見ようとしなかった。

そのとき警備員が監視カメラの映像を持ってきて、北村健に渡した。「北村社長、こちらが監視映像です」

北村健は映像を見て、表情が一瞬で暗くなった。彼は山田澪が働いている場所に行ったことがあるので、当然佐藤凛を知っていた。もちろん、彼は佐藤凛のもう一つの身分も知っていた。

北村健はタブレットをテーブルに投げ捨て、夏目彩に言った。「病院に連れて行くぞ」

夏目彩は彼が何も言わないのを見...

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